不動産売買において、売主は境界を買主に明示して引き渡しをします。境界は杭、プレート、赤いペンキで記されますが、杭が抜けたり、プレートが剥がれたり、ペンキが消えたりして長い年月を経て無くなってしまうケースが多いです。国土調査は市町村が実施し、一筆毎の土地について、その所有者、地番及び地目を調査し測量を行い、土地の面積や地目が正確なものに登記されます。国土調査が実施された地域は、境界にプレートが設置され、プレートが剥がれていても復元を容易にする事が可能です。国土調査が実施されていない地域に不動産を所有している方は、法務局で地籍測量図を取得してみましょう。地籍測量図は分筆、合筆をした土地に作成されますが、過去に分筆、合筆をしたことがない土地は地籍測量図は作成されませんので注意が必要です。平成17年3月7日以降に作成された地籍測量図は精度が高く、座標値の記載が義務付けられ、隣地所有者の立ち合いのもと作成されます。境界の復元も容易にできます。しかしそれ以前に作成された地籍測量図は精度も低く、座標値の記載も無い為、復元できるかはケースバイケースになります。国土調査未実施の地域、平成17年3月7日以降の地籍測量図が無い土地は、土地家屋調査士に測量を依頼して隣地所有者立ち合いのもと境界を確定する必要があります。その場合、20万~30万位の費用がかかります。筆界は、地図上の土地の区画を示す線で、登記によらなければ筆界は変更できません。所有権界は所有権の範囲を示す線で、所有者の同意によって変更できます。厳密に言うと、筆界と所有権界はイコールではありません。国土調査未実施の地域、平成17年3月7日以降に作成された地籍測量図が無い土地は特に注意が必要です。境界が地図の線の通りではない可能性があるという事です。また、隣地所有者の所在が不明であったり、境界の争いがあった場合は境界確定が出来ずに、売主は境界を明示できずに買主に引き渡す事が出来なくなってしまいます。契約不適合責任により買主に違約金を支払わなくてはいけなくなる可能性もあります。隣地所有者の所在が不明の場合は不在者財産管理人制度、境界の争いは筆界特定制度がありますが、どちらも余分なお金、時間がかかります。敷地まわりの塀も境界の目印が無ければ境界の明示にはなりません。不動産の所有者は、地籍測量図の有無、地籍測量図があれば、平成17年3月7日以降に作成された地図か?国土調査実施の有無、不動産を購入したのであれば、購入時に売主から明示された境界の資料の有無を確認して、それらの資料を参照に境界標が残っているか確認してみましょう。境界標がなければ、土地家屋調査士に依頼して測量や境界復元を依頼しましょう。費用はかかりますが、不動産を売却する場合は、特に早期に境界を確定させる事が大事です。