不動産の売買契約は、売主・買主が対面で行うのが一般的ですが、売主が何かしらの事情で対面が難しいというケースも多くあります。このような場合、売主・買主が別の日程・場所で売買契約を行うことがあり、このような契約方法を「持ち回り契約」といいます。持ち回り契約は、仲介する不動産会社が売主・買主宅へ訪問することもありますし、別の日程で不動産会社に来てもらうこともあります。持ち回り契約の場合、売主・買主どちらが先に署名・捺印するのか?と疑問に思われるのではないでしょうか?買主が先に署名・捺印をする場合、注意が必要です。売主が本物の所有者なのか?が対面で確認が出来ません。通常は対面で、売主が真の所有者である確証となる公的書類を確認します。権利証、実印、印鑑証明書、運転免許証、住民票等、対面で原本確認します。しかし持ち回り契約では、これらの公的書類の原本を持ち運び出来ませんので、仲介する不動産会社が売主より原本確認を行い、必要書類の写しを保管しなければなりません。不動産会社は印鑑証明書の印影の確認、住所・氏名の確認、権利証で不動産の表示、住所、氏名が合っているかの確認をします。このような作業を不動産会社が怠った結果、偽物の売主だったら大問題ですよね?なので、まず不動産会社が売主が真の所有者である事を確認して、売主から署名・印をもらうのが基本です。不動産会社は売主の本人確認と並行して、物件に関する情報を打ち合わせして、万全の状況で買主に署名・捺印をいただくようにします。具体的には、設備、物件の状況(不具合箇所等、近隣との申し合わせ)等を時間をかけてヒアリングして、付帯設備表、物件状況確認書を作成します。この持ち回り契約は、リスクが高いと考えています。理由は対面での契約では無いので、後になって「そんな事聞いてない!!損害賠償だ!!」というトラブルリスクが極めて高いという事です。また買主にしてみたら、対面ではないので真の所有者であるかどうかは、不動産会社頼みになります。買主自身で確認出来ないリスク及び会った事がない見ず知らずの人に大金を支払うなんて嫌ですよね?大手の不動産会社だと持ち回り契約を禁止している会社もあります。それだけリスクがあるという事です。不動産取引は対面での売買契約が原則であり、持ち回り契約は例外だという事を理解しましょう。