危急時遺言って何?

2025/03/22 ブログ

遺言書と聞くと、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言が有名ですが、実は他にも①一般危急時遺言 ②難船危急時遺言 ③伝染病隔絶地遺言 ④在船者遺言 があります。①一般危急時遺言は、死亡の危機に迫った者が3人以上の証人の立ち合いのもと、証人の一人に遺言の内容を伝え、伝えられた証人が筆記して遺言者と他の証人に読み聞かせ、筆記が正確な事を確認して、証人全員が署名・印を行い、遺言から20日以内に証人または利害関係人から家庭裁判所に遺言内容の確認を請求します。②難船危急時遺言は船や飛行機が遭難し、命の危機に迫っている者が2人以上の証人のもと、証人の一人に遺言の内容を口頭で伝え、口頭で伝えられた証人が代書して、証人全員が遺言内容に間違いがない事を確認して記名、印を行い、家庭裁判所へ遺言内容の確認を申請します。(申請期限はありません)③伝染病隔絶地遺言は、伝染病で行政処分により隔絶を余儀なくされた場合、遺言書を自ら作成して、警察官、証人それぞれ1名の立ち合いのもと、遺言内容に間違いがないか確認してもらい、署名・印をもらいます。家庭裁判所への確認手続きは不要ですが、検認手続きは必要です。④在船者遺言は、船舶で航海中、一般的な遺言を残す事が難しい場合、自ら遺言書を作成して船長及び乗組員の証人のもと、証人が遺言内容に間違いがないか確認してもらい署名・印をしてもらいます。家庭裁判所への確認請求、検認の手続きは不要ですが、隔絶された状況から脱し、6ヶ月経過した場合、遺言書の効力は無効になります。このように、命の危険に迫った状況であったり、隔絶された状況の場合が対象になります。遺言書は決まった方式でしなければ無効になりますので注意が必要ですが、このような方式がある事は、殆ど知っている人はいないので、いざという時にこのような遺言方式を実行するのは無理でしょう。一応、こんな遺言がある事も把握しておきましょう。